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運送会社からの見積書は通るが、提案書は通りにくい!? なぜだろう??

こんにちは。

見積書と提案書の事について、今日は書きたいと思います。

ある荷主メーカーさんでの出来事・・・
(仮説の物語です)


※画像は本文と何ら関係ありません

A地点~B地点の輸送を、〇〇運送さんが¥100,000円で請けていたとします。

その荷主から「△△運輸さん、〇〇運送が運行しているコースだけど、運賃高くて困っているんだ。

何とかならんかね?△△運輸さんで見積書欲しいので、よろしく頼むよ」との事。

よくありがちな話しですね。

そこで△△運輸の担当者は、A地点~B地点の輸送の見積書を¥90,000円で荷主メーカーさんに提出しました。

すると荷主メーカーさんは、輸送コストが下がり大喜び。

△△運輸の見積書は稟議を通り、輸送を担当する事になりました。

¥10,000円もどういう理由で下げたのかは分からないですが、

こういう感じで見積書は値段下げると通りやすい、これが世の中のあちこちで行われている現状です。

では提案書の場合はどうなるのか?

ある日、△△運輸の物流担当者Aさんは、◇◇スーパーに買い物に行きました。

ここの◇◇スーパーの配送は、△△運輸が請け負っています。

長年の付き合いでしたが、一つ問題がありました。

それは、荷受けで長時間待たされる事。

荷受け側の人手不足で、いつも長時間待たされます。

Aさんがスーパーで買い物をし、レジに並ぶと

ここも、どのレーンも長蛇の列。


※画像は本文と何ら関係ありません

そうすぐには自分の番になりません。

あきらめて並んでいると、ずいぶん経ってからAさんの番に。

全てのレジのレーンが長蛇の列で、

レジ担当の方も表情から疲弊しておられるのが分かります。

Aさんがレジのオペレーションを見ていると、

どのレーンもものすごく属人的な部分があり、

そこがボトルネックの部分なんだなと、一目で分かりました。

また、そこで人員を取られているためにバックヤードまで人手が回せず

結果として、荷受けにも影響が出ている事が分かりました。

ここまでの話し、よくある事ですよね。

例えばパン屋さんとかもレジで随分と待たされる事もありますし、

その他、飲食店とかでも多くあります。(例えばです)

先ほどの話に戻ります。

その後△△運輸の物流担当者Aさんは、◇◇スーパーの荷下ろし時間短縮の為に

担当者の方にこういう提案をしました。

「荷下ろし待ちが多いのは人手不足が原因ではありますが、

その根本的な原因はレジ業務にある」と。

「レジのオペレーションを属人的なやり方から、

オートメーション化で改善しませんか?」と提案しました。
(あくまで仮説です)

◇◇スーパーの担当者は、目を丸くしてビックリしておられます。

担当者さんはこう言われました。

「運送屋さんって、運ぶだけじゃないの?」

「ただ安く運んでくれるだけでいいのに・・・」

「運賃払ってるのだから、待ってくれればいいでしょ」

「レジスターの仕事が無くなってしまうよね」

「そもそもその提案受け入れても、売り上げ変わるか分からないよね」

「だったら皆並んで買ってくれてるし、変える必要ないでしょ」

・・・etc

結果的にこういう考えにまでなってしまい、

この提案は受け入れてもらえませんでした。

こういう話も非常によくあります。

ここで考えられる事もいくつかあります。

①新システム導入のコストは明示しているが、それによりプラスとなる数字が分からない。
(この仮説の場合は算出しにくいかもしれないが)

②お客様に得はあるが、担当者に得がない

③そもそも変化が嫌である

・・・etc

①に関してはやはりお客様の流れが悪く、商機を逃しているという事を色々とシミュレーションして、

ある程度数字で出さねばと考えます。ここは仮説を立てるなりアンケートを取るなりして、

地道に調べていきおおよその数字を出さねばなりません。そうすれば比較的納得してもらえると思います。

問題は②や③

これが実はものすごく多いんです。

極論ですが、「売り上げ上がって会社に得はあるが、俺には何の得もないよね」

「だったらわざわざシステムの大部分を変えるより、今のままでいいよね」

こう思っておられる方も実はおられるんです。

また、「変えると覚えるのが面倒なんで、俺が定年まではおとなしくしておいてくれ」

もう、悲しくなってしまいますね。

また、ひどい所では、他の出入り業者からの「袖の下」がある為にその味を占めて

いくら良い提案でも、業者変わると困るから受けないといった話も聞きます。


※画像は本文と何ら関係ありません

ここまで来るともはや事件ですが、やはりいつの時代も利権というものは存在しますし、

その甘い汁を吸う者もいれば、そこに群がる者もいます。

とんでもなく無駄が多い業務があり、それを大幅に改善出来ると提案しているのに

先ほど述べたような理由で受け入れてもらえないというのは、

お客様の業務改善の為に真剣に取り組んでいる者からすれば、

本当に歯がゆい何とも言えないものがありますね。

しかし、世の中はそんな悪い方ばかりではありません。

というか、こんな「おぬし、悪よのぉ( ̄ー ̄)ニヤリ」みたいな事は

江戸時代じゃあるまいし、今の時代に起きてはいけないですよね。

本当に会社の業務を日々見直して改善し、

また上の段階で改善してどんどん効率を上げていかれるお客様は多くおられます。

そういう会社は、物流業者をただの運送屋としては見ておられませんし、

会社の規模など関係なく、パートナーとして対等にお付き合いしていただけますね。

また、きちんとこちらの提案に対しても真剣に耳を傾けていただけますし、

そういう意見も尊重していただけます。

当社にも、そういう愛情のようなものを感じるお客様はたくさんおられます。

しかし、そこに胡坐をかいていてはいけません。

冒頭に書いた通り、単に見積額を理由なく下げるやり方しか出来ないようでは

これからの物流業者として失格です。

お客様の業務を様々な角度から見て研究して判断し、

ボトルネックの部分を改善して、業務全体を最適化できるようにしていかねばなりません。

そういう提案が出来るよう、物流業者としてロジスティクスという概念を学び続けていかねばですね。

当社には、物流経営士が二名在籍しておりますので、

またお困りの際はご連絡いただければと思います。

どうぞよろしくお願いいたします。

投稿:よしだ