なぜ私は『地域企業』を学生に伝えたのか。
先日、京都経済短期大学で担当させていただいた「地域企業論」の講義の様子を、このたび京都自動車新聞に掲載していただきました。
今回の講義では、「物流」や「ロジスティクス」の役割だけではなく、私が経営者として最も大切にしていることを学生の皆さんにお話ししました。
それは、
「地域企業には、地域企業にしかできない役割がある。」
ということです。
私は、なぜ西京区から出ないのか。
会社を経営していると、
「もっと大きな土地へ移転しないのですか?」
「もっと便利な場所へ行けばいいのでは?」
そう聞かれることがあります。
しかし、私は創業以来、一貫して西京区にこだわってきました。
それは、この地域で多くのお客様に育てていただき、多くの社員と共に歩んできたからです。
会社とは建物ではありません。
人であり、地域であり、信用です。
だからこそ、私は西京区から全国へ仕事を届ける会社であり続けたいと思っています。

売上だけを追う時代ではない
もちろん、経営者である以上、売上や利益は重要です。
しかし近年、私が強く感じることがあります。
それは、
「地域から会社をなくしてはいけない。」
ということです。
運送会社には、決算書には載らない財産があります。
何十年も積み重ねた荷主との信頼。
社員が培ってきた技術。
地域とのつながり。
これらは、お金では買うことのできない価値です。
「廃業」という選択しかないのでしょうか。
物流業界では、経営者の高齢化や後継者不足が年々深刻になっています。
長年地域を支えてきた会社が、
「後継者がいないから。」
その理由だけで廃業してしまう。
それは会社がなくなるだけではありません。
社員の仕事がなくなり、荷主が困り、地域の物流力が一つ失われるということでもあります。
私は、それをできる限り防ぎたいと考えています。
引き継ぎたいのは「会社」ではありません。
もし将来、
事業承継で悩まれる経営者の方がおられたなら。
私たちが引き継ぎたいのは、
会社の名前でも、
トラックでも、
売上でもありません。
長年築き上げてこられた「信用」です。
社員、お客様、地域との信頼。
それこそが、企業にとって一番価値のある資産だと思っています。
学生の皆さんへ伝えたかったこと
講義の最後に、学生の皆さんへお伝えした言葉があります。
「物流の未来は、AIだけではつくれない。最後の価値を生み出すのは、人です。」
この言葉は、物流だけではありません。
地域企業も同じです。
人がいて、
地域があり、
信用がある。
だから会社は続いていきます。
