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貨物×旅客 tucグループだからこそ実現できる貨客同時輸送

「貨客輸送」という言葉をご存知でしょうか。これは、一つの輸送手段に貨物と旅客を同時に乗せて運ぶ、非常に効率的な輸送形態です。

実は、船や飛行機、そして実証実験中の鉄道ではすでに行われている一方、陸上輸送の要である自動車運送事業では、これまで一般的ではありませんでした。しかし、行き先が同じであれば、荷物も人も一緒に運ぶ方が効率的であることは間違いありません。

メリット:二重手配の手間を省き、トータルコストを削減

貨客輸送の最大のメリットは、何と言っても手間の削減とトータルコストの削減にあります。

例えば、イベントやロケーション撮影でスタッフと機材を運ぶ場合、通常は人のためのバスやタクシーと、荷物のためのトラックを別々に手配する必要があります。これは二重の手間ですし、異なる事業者との打ち合わせや調整は、担当者にとって大きな負担となりがちです。

しかし、貨客輸送の許可を持つtucグループにご依頼いただければ、お問い合わせ一本で車両と乗務員の手配が完了します。一台の車両で荷物も人も合法的に運べるため、これまで別々にかかっていたトラック代とタクシー代が一本化され、大幅なコスト削減にも繋がるのです。

活用シーンの一例

具体的には、以下のような様々なシーンでご活用いただけます。

  • ロケーション撮影・テレビ取材: 演者・スタッフと撮影機材を同時に輸送。
  • イベント・展示会: スタッフと設営資材・販促物をまとめて搬入・搬出。
  • 精密機器の設置: 精密機器本体と、設置に向かうエンジニア様をまとめて輸送。※現地での作業補助もご相談可能です。
  • 企業の視察・研修: 視察団と必要な機材・資料を一台でスマートに輸送。
  • スポーツ合宿・遠征: 選手と練習用具・滞在中の荷物をまとめて輸送。

実現への高いハードルとtucグループの挑戦

このようにメリットの大きい貨客輸送ですが、その実現には非常に高いハードルがあります。

貨客輸送を行うには、「貨物運送事業」と「旅客運送事業」の両方の許可が必要です。特に旅客の許可は取得が難しく、中でも私たちが主軸とする貸切旅客(ロケバスなど)は、過去の大きな事故の影響もあり、安全基準が極めて厳格化されています。

これまで近畿運輸局管内では、過疎地での実証実験などを除き、本格的な貨客輸送の許可事例は限定的でした。そのような状況の中、当社は2024年、近畿運輸局管内で初となる事業者(※)として、この貨客輸送の許可を取得いたしました。

(※近畿運輸局管内での事例)

業界の慣習と法令遵守の重要性

現実には、運賃を請求しない「サービス」として、貨物トラックの助手席に荷主を同乗させる、いわゆる「グレーゾーン」の輸送が行われているケースも見受けられます。しかし、安全と法令遵守の観点から、こうした慣行は見直されるべき時期に来ています。

私たちは、きちんと法令通りに事業を行うことの重要性を認識し、正規の許可のもとで、安全かつ安心なサービスを提供いたします。

貨客輸送の未来は明るい

では、貨客輸送に未来はあるのでしょうか? 私たちは「ある」と確信しています。

そもそも貨物と旅客は、許可上は別ですが、本質は「モノや人を目的地へ運ぶ」という同じ運送業です。人口減少、高齢化、そして労働力不足という大きな課題に直面する日本において、これまでの枠に囚われない柔軟な発想こそが求められます。

「同じ方面に行くなら一緒に運ぶ」というシンプルで合理的な考え方に基づいた貨客輸送は、これからの時代のニーズに応える、未来の明るい輸送形態であると信じています。

まとめ

今回は、tucグループが実現した「貨客同時輸送」についてご紹介しました。

実は、自動車における貨客輸送の試みは、平成初期に四国で始まったと言われています。キャリアカー(自動車を運ぶ車)の助手席に車の持ち主を乗せるために許可が取られたのが始まりとされ、地方でのニーズをきっかけに、少しずつその可能性が模索されてきました。

私たちも、これまでの既成概念にとらわれず、突拍子もないようなアイデアで日本の物流と人の移動をより良く変えていきたいと考えています。今後も新しい事への挑戦を続けてまいりますので、ぜひご期待ください。

人や荷物の輸送でお困りの際は、ぜひtucグループにご相談ください。皆様からのお仕事のご依頼やご相談を、心よりお待ちしております!

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吉田 知史

tucグループ代表取締役 / 物流経営士 / 産業カウンセラー / 総合旅行業務取扱管理者 / 2級G・D自動車整備士ほか

幼少期からスピードに魅せられ、自転車からスキー・オートバイ・自動車ととりあえずスピードが出るモノが大好き。夜な夜な峠道へ繰り出しドリコンなどに参戦しつつ、数々の大きなケガや入院・手術を経験し、某ディーラーで自動車整備士を経験して家業へ。近年ではJAF公式戦の全日本ラリーへの参戦やレースも参戦中。

戦歴:
2018年 TGRラリーE3クラス西日本シリーズチャンピオン
2023年 全日本ラリー第三戦新城JN5クラス3位入賞
他地方選手権等上位多数